月曜日/リリー
今朝
東の空に羊雲がびっしりと
ヒツジたち
みんな揃ってどこへ行くのか
出勤すると社員証を提示する守衛室前に
片足を付け根から轢かれた状態で居る
路上の 蛙
目を見開くままな
死顔が目蓋に焼き付いて離れない
すぐ近くの貯水地で
水草が刈られて清掃されたから
出て来てしまったのだろう
週の初めの今夜はきっと
夜更けの貯水地で
蛙の 遺体無きままなお通夜があるに
ちがいない
うす汚れたカエルだからではない
不意の月曜の夜は
わたしだって分からない
地上に生きるもの すべてが
今朝
東の空に見た白い群像ではないのだから
戻る 編 削 Point(9)