いちれつ(春)/XIAO
 
メルカリで買った言の葉を煮出している間に君への手紙を書いている
春という暴力に曝されながらも何とか眠らずにいるのは君が好きだからだ
君が好きだからだ

ガラスの水滴が互いに引き寄せられるように記憶が繋がっていく
中を泳ぐオタマジャクシは大きな輪から輪へ移ろい、また移ろう
こんな事を考えている私もまた移ろう、移ろうのだ

真っすぐな春のいちれつの隙間を縫って泳ぐのは人が好きだからだ
人が好きだからだ
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