モリントの空/モリマサ公
旅みたいなばしょだった
あの時のどうにもならなさったらなかったな
いつ死んでも全然おかしくなかったし
いつ生まれなくても小さな怠惰にすぎなかった
うねうねとうねる波止場で
わたしは貝類を惨殺し貝類の舌にキスをする
ぽたっぽたっと落ちる涙しおからく痛い
内臓を全部みせてやりたいよ大好きなきみに
今過ぎて行く瞬間また次々に来る瞬間
そしてアもイもウもない無音の慟哭
カモメら開ききって行きすぎて
押し黙っている座礁船、半欠けの
のびてきた高層ビルの限界、ボカロの声
いやまじに死んだら怖いっていう考え方
もうだめじゃないですか
生まれてきてよかったなんてこの畏怖には
ただあ
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