月影/秋葉竹
 



寂しい色の
ベニを塗り

できることなら
心臓を

休めてあげたい
満月が

狂ったみたいに
きいろくて

月に心があるのなら
きっと孤りで泣いている

なにをなんまい削ぎ落とす
痛みに耐えたら寂しさを

無かったことに
できるのか

嬉しい色の
ベニを塗り

欲しいものだけ
手にしたい

欲しい星さえ
ない月が

手持ち無沙汰で
口笛を

吹いているよな真似をして
くちびる尖らしつづけてる

歌ってしまうその訳を
知っているなら尚更に

絶対ひとに
云えないさ








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