マイブロークン アキハ/秋葉竹
 
たみたいに
目の前の骨壷を
抱いて逃げ去ろうとしたよ。

あんたの家の人に止められたけどさ、
そのとき、
骨壷が割れてしまって、

あたし、
『ごめんなさい、ごめんなさい』って
謝りつづけながら
ぶちまけられた骨の一欠片を
しっかりと握りしめて、

『ごめんなさい、ごめんなさい』って
泣きつづけながら、
ぐっちゃぐっちゃにした、あんたの家から
逃げながら、走りつづけた。

泣きながら。

そのときのことも、
そのあとのことも、
憶えていない。

ただ、
大好きだったのだと。

バカみたいだけど、
おこつを握りしめながら
あからさまに
自覚をしていたのだ。




ねぇ、夜の
消え入りそうな三日月の
尖ったところで、あたしを刺してよ?








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