にじいろ/吉兆夢
と
あなたみたいになってしまう
は
竹串のお尻と先っぽなのかもしれない
酒や博打を遠ざけても
腹帯に鏡を仕込んでみても
球皮のなかの炎の色は
とてもよく似ていた
十一月のよく晴れた午後
君と連れ立って畦道を行く
空から零れるひの
ひと噛み
ひと噛みごと
手向けなのだと欠伸を下せば
袖を引かれて
君は、二時、だという
虹、ではなく
にじ。
にじ。
声にするたび逆さのアーチが君と私の鼻下に架かって
七色の声がどこまでもどこまでも
お団子になって飛んでった。
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