慟哭の森/ハァモニィベル
 
どこか彼処に 青銅で拵えた 

どこか窶れた 悲痛な相貌が

響くように 叫んでる気がした

判断を乞うような壊滅の序曲を 頻りに引っ掻いて

それは、永く痒がっている

一群れの中からも また その外からも 聞こえて来る

鳴り響く 唸りだ

まだ来なかった時を過ぎ、

もはやもう来てしまった時だけ過ぎる中を、

激しい炎に満ちた水面の上を、

あまりにもナダラカに膨れてゆく、

  金色の涙の背中へ。 

全員がみな 独り濁声で唱いかけている

瘡蓋のように変色した唇を、思わず掌の内に入れてはみたが、

掌は絶えず痙攣して、ボタボタと唱を垂らし続けてる

  ような、

気がした。

ただのブロンズの様な、枯葉の森で 






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