鴎/リリー
 

 どんなに望んでみても
 あの懐かしい潮風の吹く
 岬まで
 翔べるカモメには
 出逢えません

 京の都で鴨川に
 架かる橋桁くぐり抜け
 川縁を舞う
 ゆりかもめ見て思います

 この百合鴎では
 貴男という
 青春の海まで
 たどり着くことが出来ません

 京の都で鴨川の
 架かる大橋 渡るとき
 弓張り月が夕空に

 見えない月の半分に
 下手くそな
 別れ方してしまった
 貴男のいまへ想いを馳せて

 ゆりかもめ
 眺めみて今日は帰ります


 
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