鼓動の行方/武下愛
問わないで居たかった
全てが目の前で消えてく瞬間は一瞬の咆哮だと知っても
命の形を知っても命の行方は知らないで
問わないで居たかった
知らず知らずになぞった鼓動の形に拍が宿る
その数はやがて魂に成りえるのだろうか???
迷信だと言われるものには夢がある
その反面にあるものに興味すらない
今のところはね?
いずれ死ぬときに残すものが何なのか?
いまだに知らずに生きている
いつかはわかるのだろうか?
いつかはわかりあえるのだろうか?
いつかという形が飛び出す前に
輪郭をなぞったふりをした
輪郭はすでに無いのだから
ふりでしかない
鼓動の行方に似ている気がしてやまない
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