雲と月/秋葉竹
 



  

そこにある
あの砂浜で拾った貝
潮の匂いがちょっとしていた

手軽なゲームと云い放ち
強がってみたあの夏の恋


目が合った
数だけあなたを好きになる
隠しきれないだろうな夢中

ふたりいっしょにいるだけで
あたたかくなる夢中の夜

流れるような白い雲
月を隠していじわるだ


そこにある
月にこの手でふれたくて
夜空みあげて「ムリだ」と笑った

雲や月さえ消え果てて
消え入る私は『ただ好き』と云う











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