夜の人/秋葉竹
夜は
すこし寂しくて、すこし孤独です
だから、朝を待ち
できれば、静かな眠りを求めています
それが、なかなか、うまくいかなくて、
眠れない夜を過ごしていますよ
枕の匂いが
すこし震えさせてくれます
ひとり
なんだと
そうして、生きてきたんだ、と
べつに悲しくは、
ないのですよ
あたりまえの、ことですから
ホラ、夜空かがやく星々のなか
月はいつだって
たったひとり、微笑んで、いるでしょう?
さくら色の
月光が
私に告げるのです
そっと
ちいさな、やさしい、声で。
凍えていては、ダメですよ?
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