ニューステージ/nm6
 



あ、あー、あ。
ニューステージでは、悲しいこともあるよ。


雨振ればバラバラでもう元に戻せない、けれど今日、暗い夜の丸い月の射し込む光、そして負。ぼくらの足音はひどく響いてまったく後ろめたい深夜で、ひとり夏の近づく夜の涼しい思い出と迷子スレスレの散歩をする。今日会うことが出来なかった人へ、この道を照らす蛍光灯の輪郭を忘れないでいようとぼくは思う。


真夜中を意識するための発声練習をするよ。
あ、あー、あ。畳の上のニューステージ。
水蒸気がほのかに躍る夜、またひとつあたらしく遊ぶ。


うさぎたちは白く、うずくまっている。未来の妄想に住むこと遠くてできな
[次のページ]
戻る   Point(9)