シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
だけ、そうでしょ?」
寿々芽「レナの勝負根性に賭けた」
姫香「当たって砕けろ、か――」
寿々芽「あれしかなかった。あなたとマリアに勝つに
は、あれしか」
俯く姫香。そのまま顔を上げない。
姫香「やっぱり『あなた』とか言うんだ。追い切りの
ときとパーティーのときは『早坂さん』だった」
寿々芽「……」
姫香「どれだけ悲しかったかも知らないでさ」
歩み寄る寿々芽。姫香の零す涙がぽとぽと床
に落ちていく。姫香の両肩に手を置く寿々芽。
姫香「どれだけ嬉しかったかも知らないでさ」
寿々芽「ごめんね姫香。ひどいこと言ったね。ひど
いことしたね。オークス、秋華賞
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