シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
「海野さん、すみませんっ」
穣一「気にするな。不可抗力や。ああなったら俺
だって御せん」
寿々芽「でも……」
穣一「けど裁決はそう見てくれんぞ。二日食らう
覚悟しとけよ」
寿々芽「はい――」
穣一「レナーテは放牧中か」
寿々芽「え、そうですが」
穣一「おまえも行って来たらどうや、北海道」
寿々芽「え」
穣一「騎乗停止にならんと、骨休めもできひん
ところまで来たか。おまえも」
寿々芽を見てニヤッと笑う穣一。
審議を伝える場内アナウンスが響き始める。
〇大里育成牧場・放牧地前【二週間後】
正純の車が止まる。助手席から降りる寿々
芽。伽
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