シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
迷いました……でも、マリアラパスは、寿々芽
さんが一生懸命――」
無表情で姫香を見つめる寿々芽。ただじっと見つ
め続ける。
寿々芽「強奪宣言、本当だったね早坂さん」
姫香「……」
そこへやって来る林原。
林原「橘川騎手じゃないですか。あなたのことは気に
なっていたんだ。よく来てくれた。いや度量が大き
い。アスリートの鑑だ、あなたは」
寿々芽「こちらこそまたお会い出来て嬉しいです。記
念に握手していただけますか」
林原「もちろん」
手を差し出す林原。寿々芽も右手を出すが――
その瞬間、左手に持ったグラスの水割りを林原
の顔にぶちま
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