シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
 
すよ、わたし」
   正座をする姫香。
姫香「だから、わたしが騎手になっているのは――
 うぅん、わたしが今、生きているのは、橘川騎手
 のおかげなんです。だから、本当に、ありがとう
 ございます」
   頭を下げる姫香。
姫香「ああ、やっと言えた」
寿々芽「足、くずしてよ。そうか――でも、あの一
 日四勝が騎手人生のピークだよ」
姫香「そんなことないです。今季初勝利の騎乗なん
 か凄かったじゃないですか」
寿々芽「ああ、あれか。ふふ。こっちでの騎乗は林
 原オーナーの意向?」
姫香「はい。騎乗予定馬三頭全部、オーナーの持ち
 馬です」
寿々芽「林原さんのプロメテウ
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