シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
 
こ入ってからずーっと
 ひとりだよ、わたし」
姫香「でも橘川さん、寮長だなんて凄いです」
寿々芽「騎手会長の命令じゃ断れないよ」
姫香「騎手会長って海野さんの?」
寿々芽「うん。『調教に遅刻したり、休んだり
 するようなやつらばっかりだからお前やれ』って」
姫香「そうなんだ」
   姫香、部屋を見渡し、寿々芽を見る。
寿々芽「ん?」
姫香「夢見てるみたいです、わたし、今」
寿々芽「え?」
姫香「橘川騎手と同じ部屋にいるなんて」
寿々芽「いや、あの、あなた――憧れの騎手がわ
 たしっていうの、あれってほんとに?」
姫香「はい。嘘なんか言いません、わたし」
寿々芽「いや
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