シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
 

 いよいよ競馬学校受けさせんと仕方ないとこまできて
 しもうた。この前颯希に言われたわ。『これで寿々芽
 さんが騎手辞めたりしたら、それは騎手会長のくせに
 寿々芽さんを守られへんかったお父さんのせいや!』
 いうて。ほんま、口ばっかり一人前になりよってから」
寿々芽「……」
穣一「あいつの部屋の壁、おまえと早坂の雑誌や新聞の
 切り抜きでいっぱいや。俺はな、おまえら二人は競馬
 界の宝やと思ってる。マリアラパスに出会って掴んだ
 ものがあるんやろ、ん?」
   再びパンフレットに目を落とす寿々芽。
穣一「電話番号書いてあるやろ。ちゃんと電話しとけよ」
   立ち上が
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