AMUSED TO DEATH。/田中宏輔
 
の男の子●ベスト●ぼくがいままで見た子のなかで●いちばんかわいい後ろ姿してた●あの子●太い太ももが●細い太ももって書くとヘンね●書いてないけど●おっきなお尻と●グッド・ミュージックが流れてた●詩には音楽があって●あ●言葉には●音楽があって●でも●きっと詩の音の構造に対してきわめて敏感なぼくの耳は●意味の構造に対しても●きわめて敏感でね●意味の構造に対して敏感だと思ってる詩人のなかに●音の構造に対して敏感な者がどれぐらいの割合でいるのか●たぶん●ほとんどいない●情けないわ●情けないわ●ほとんどの詩人は贋者なのよ●本物は●ぼくぐらいって●そんなの●情けないわあ●ああ●なんで●なんで●なんで●いつも●苦情の多くが役所に寄せられて困っています●人工肛門・マダガスカルの夜は●ぼくのほほに●燃えるくちづけ●なぜ●産むものより●生まれるものの方が先に生まれてきたのか●ぼくのために●ただひとりきり●ぼくひとりきりのためだけに●ヘンな音立てた●あの子!


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