夢のうたの中/秋葉竹
 
った時間は、

けれどいつだってすぐに動き出すよ。

暮らしという名の切なさに

すこし震えてしまう日もあったりしても、

いつだって忘れられないやさしい笑顔も、

ちゃんと憶えているからね。

あの頃も、いまも、

青葉の丘陵に登れば、

朝から晩までなにもしなくても、

ただ蒼空を眺め、

流れゆく白い雲を眺め、

そういう過ごしかたをしてもいい、

時間はあるのだから。

耳もとを通りすぎる風の神が、

心をそっと、

清く、綺麗に、青白くなるまで、

洗い流してくれることだって、

あったりしたのは、

けっして夢のうたの中の出来事なわけ、

ないんだから。

だから、

生きて、

来れた。

だから、

生きて、

ゆける。

ありったけの、

希望を、手放さず、

胸に、抱きながら。









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