おそろいでうれしい/這 いずる
深夜についてるテレビの音が漏れている窓から声が声も聞こえていて、喋るな馬鹿どもと思って、あー、人を小馬鹿にすることしかできないみたい。それが人間らしくあって良いんだって、なんか虚しいんだけど生きてるの。惨めに冷蔵庫のささみだけ立ち食いして、早めに寝る。それ繰り返して、いいことあった?ほんとに、なんの為に?って、問いたくなるし、もうずっと聞いてる。じたばたした答えが返ってくる。そう抵抗して、頭の中かき乱して、他の人と同じ顔してる。同じ生活してる。同じ服着てる。それ求めてたっけ。そうだったっけ、カバンにおそろいのアクセサリーつけてたっけ。きっと同じことが夢になって、夢を叶えているんだ、誰ともしれない他人とおそろい。テレビもそのうち平気になる。うれしいのかわかんない、正解教えてくれなかったから、わかんないで死んでいく、生きてるのかもしれないけど。
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