エインスベルの反逆(一)/朧月夜
 
そのころ、エインスベルは一つの直感に捉われていた。
エランドルが、自分に執着を持っているのは分かる。
しかし、その思惑はアースレジェを幸福に導くものであろうか?
エインスベルは逡巡していた。

千頭のドラゴンがアースレジェを訪れている。
彼らは領民たちを殺し、ヨースマルテの秩序を破壊しようとしている。
エインスベルは、一つの答えに達しようとしていた。
エランドルは、このアースレジェとハーレスケイドを一体化しようとしているのではないかと。

世界と世界とは、球状の境界によって隣接している。
それぞれの世界が、隣接しあっているのである。アースレジェとハーレスケイドも。
そこに、エランドルの思いが深く関わっていた。

エインスベルは、エランドルが、アースレジェをハーレスケイドへと、
取り込んでしまおうと思っているのだと、考えていた。
それは、世界の破滅である。アースレジェは、その姿形を無くしてしまうのだ。
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