イリアスを尋ねて(一)/朧月夜
アイソニアの騎士は、この混乱の中で何をしていたのだろうか。
アースランテにも諜報組織はあったが、
アイソニアの騎士はクールラントに潜入して以降、
イリアスの所在を掴むのに苦労していた。
「ヨラン、お前に何か知恵はないのか?」アイソニアの騎士が問う。
「分かりません。クールラントは今、陰謀のなかにあります。
今後、クールラントがラゴスにつくのか、ヒスフェル聖国につくのか、
それともアースランテと和解するのか、判断がつきません」
エインスベルにも、アイソニアの騎士が姿を消したことは伝わっていた。
(よもや、アイソニアの騎士が死したということはあるまい。
もし仮にそうであれば、すでにその一報が伝えられているはずだ。
第二次ライランテ戦争が本格化するまでには、まだ時間があるだろう。
その前に、わたしはアイソニアの騎士と再び会わなければならない)
各国の小競り合いは激化しつつある。そして、ドラゴンたちは何をしようというのか?
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