ラゴスの動向(二)/朧月夜
 
ラゴスがライランテ大陸に占めている領土は、存外小さい。
アースランテの四分の一、クールラントの六分の一、といったところである。
しかし、西の大陸であるコーカタンにその十倍の領土を持っていた。
そこには、ラゴスの商人とともに、軍隊も駐留していた。

ラゴスは軍事的な国家でありながら、民主主義的な要素も併せ持っている国である。
海外領土において、商人たちは自由な活動を保証されていた。
そして、海外で仕入れた物品は、アースランテやクールラントに出荷される。
古のアースレジェには、海洋国家というものが存在した。

ラゴスは、その末裔と言っても良い国なのである。
政権は、民主的に選ばれた政治家たちが運営していた。かのクールラントですら、
政治を担っていたのは、民主的ではない祭祀会議である。

アウゼル・ローガンテは、国家の象徴であり、軍隊の長だった。
軽はずみな言動をもって動くわけにはいかない。例え、次のライランテ戦争が
間近に起ころうとしていてもである。アウゼルは、まず今後の方針を議会に尋ねた。
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