いっぴきの小鬼のうた/
秋葉竹
ただ手を伸ばして追いかける
ホロホロと鳴る哀しみが
其処(そこ)此処(ここ)世界に吹く夜は
つくりばなしを
しましょうか?
ポツポツと降る哀しみが
よるの夜中に凍りつき
ホロホロと鳴る哀しみが
氷の涙に変わるとき
あのときわたしの裸を撫でた
『大好き』だったあの方の
あのとき熱いキスしてくれた
『愛』してしまったあの方の
そのあとくちびる撫でてくれた
いまもういないあの方の
綺麗な小指を想い出す
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