いっぴきの小鬼のうた/秋葉竹
 

ただ手を伸ばして追いかける
ホロホロと鳴る哀しみが

其処(そこ)此処(ここ)世界に吹く夜は

つくりばなしを
しましょうか?


ポツポツと降る哀しみが
よるの夜中に凍りつき

ホロホロと鳴る哀しみが
氷の涙に変わるとき

あのときわたしの裸を撫でた
『大好き』だったあの方の

あのとき熱いキスしてくれた
『愛』してしまったあの方の

そのあとくちびる撫でてくれた
いまもういないあの方の

綺麗な小指を想い出す














戻る   Point(1)