いっぴきの小鬼のうた/秋葉竹
 



ポツポツと降る哀しみに
今夜も心に穴が空く

ホロホロと鳴る哀しみに
胸の奥までビショビショだ

帰って来ないあの方の
綺麗な小指を想い出す

夜道にゴロンと棄てられた
肉塊みたいな『大好き』や

煙草の煙を吐くように
ちょっと軽めの『愛』を吐く

ポツポツと降る哀しみに
ましろな躰がけがされて

忘れられない想い出が
賛美歌のように流れてる

川はいずれは海へ着く
人はいずれはきっと死ぬ

まるで輝くジンライム
みたいな気分で生きてゆく

冷たさなんて感じない
時代の流れのうえを舞う

ひらひらひらと
舞う蝶を


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