verification/ホロウ・シカエルボク
で国の為に特攻機に乗り込む若者たちのようさ、結局のところ、人々はマエストロを欲しがる、信じさせてくれる、絶対的な威厳をもったマエストロを…そいつの下につくことを選んだ自分が賢いのだと、それが一般的な自尊心の現れなのだ、それはどういうことか?自ら主題を探すことなく、見栄えのいい言葉に乗っかって追随を繰り返す…もちろん、そんなことがきちんと社会を回す油になっていることも間違いはないから、まるで必要ないものだとは言えないかもしれない、けれど俺に言わせればそれは、魂の奴隷みたいなもんさ―サーチライトから逃れろ、LEDの太陽の下に立っても命の意味はわからない、自分自身が食らうものの血肉のにおいを記せ、その羅列の中から必要なものを見つけ出すんだ、その認識が自分の血を巡る、ささやかな音を聴きながら、俺はまたがっちりと落とされた閂を持ち上げて、新しい暗闇の中へ足を踏み入れる、よく来たね、待っていたよ、埃っぽい空気が、俺を歓迎して反射する光のように踊っている…。
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