かさ/
ひだかたけし
現れ流れ出す
沈潜していく心の奥、
夕暮れ時の
影、限りなく伸びる校門で
あの子は未だ歌うたっている
迫る夜闇に私は怯え、
欲望を燃やし尽くし
未だ在る家路を急ぐ
遠い家、
家は近づく、
寝台列車の走行音と共に
内から密やかなつぶやき響き、
世界の果てにて世界に合一する
朝に昼に努め営み、
夕に肉の苦痛に
くずおれ寝床に入り、
おとずれを待つ 只、おとずれ待つ
戻る
編
削
Point
(6)