かさ/ひだかたけし
 

現れ流れ出す

沈潜していく心の奥、

夕暮れ時の
影、限りなく伸びる校門で
あの子は未だ歌うたっている
迫る夜闇に私は怯え、
欲望を燃やし尽くし
未だ在る家路を急ぐ

遠い家、
家は近づく、
寝台列車の走行音と共に
内から密やかなつぶやき響き、

世界の果てにて世界に合一する

朝に昼に努め営み、
夕に肉の苦痛に
くずおれ寝床に入り、

おとずれを待つ 只、おとずれ待つ









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