アントラー(ウルトラマン)/角田寿星
 
が輝き続ける限りぼくらは生きる希望を失ってはならない とも。
バラージの青い石。私たちの生命を繋ぐ光。
動力源としても優秀な青石をアントルは最大活用した。慈しむように
少しずつライフラインに装置の動力に使うことによって私たちの
異郷生活はわずかながら軌道に乗っていった。朝の乾いた空
溶け込むようにバラージの尖塔に輝く青石を見上げ私たちは
今日も生きていこうと決意を新たにした。

アントルの製作欲は已むことがなく貴重な青石を丁寧に削っては
同胞の遺骸を繋ぎ合わせる作業を綿々と行っていた。外骨格の硬い殻は
次第に巨大なオブジェを形成していった。志半ばに死んでいった同胞の
夢を集め
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