深海で暮らす/
ちぇりこ。
が流されてゆく度に
溺死した会話を拾いながら
言葉を一つ忘れて、暮らしを忘れて
ここに居たのか
水が流されてゆく、水が雨に流されてゆく
飽和した原初の海が見える
水の骨が見える、骨だったのかわからない
きみは誰だ
流れて、流されて、雨
そうだ、雨だ
存在しない三階への、存在しない階段を探す
雨を見上げる、息継ぎをする
(水に包まれて暮らすということは)
街並みの寂しさ、雨は降る
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