ジキルとナンシー/示唆ウゲツ
笑い声が急に遠くなって
気がついたら電車に乗っていました
時計の針から見放され
寂しい呪文を唱えそうでつい笑う
肉体が完全に凍って
走り出す意識はきっとここで
腫れた手首を冷やすように
失いかけたファンタジーと苦笑い
見上げたあの日からぼくたちは
心無いことばかりをしているんです
ちょっと目を離したら振り返りそうで
まあ、後でいいかとか
つま先、足の指、で立っていた
あの帰れそうな家みたいに
そうです 光っているのです
ましてや飛行していくクズとクズですから
巨大な掃除機の中で手を繋いでも
つまらないと思うので
今朝の陽が差し込んだら
制服を脱いで脱げだそうかと
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