信じる/フェルミ
きだったチューリップは季節外れで店頭になく
なにかべつの花を供えた
駅を通過する特急列車に
怯えた、泣いた、そして祈った
ぼくはとてもひどいやつだったろう
*
鴨川沿いをきみと
将来の話をしながら歩く
ベッドは分けて、個室を作ろう
結婚式はあげなくていいけど、
結婚指輪は絶対に買おう
とびきりに良いやつを。
だからお金を貯めよう
ちゃんと働こう
京都に住もう、京都に住もう。
京都に住むことを夢見ていた女を
ぼくはもうひとり知っている
でも、
きみを愛する。
きみを選ぶ。
きみとの将来を語りあう。
*
ぼくは神を信じている。
彼女と、また会えることを信じている。
幸せになろう
幸せになろうよ
手をつないで橋を渡ろうよ
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