未知 鳴る/ひだかたけし
あこがれ、
朝に目覚めて
濡れ光るアスファルト、
無数の影、映し
進む時間
傘、さしたり ささなかったり
遠い山並み、蒼く連なり
冷たい風吹くなか
人、忙しい営みに生き
傘、さしたり ささなかったり
間近の雪峰、純白に輝き
渦に巻き込まれ平穏無事と
未知なる郷愁、忘却されて
競争社会の野心に燃え盛り
あこがれ、
朝をやり過ごし
濡れ光るアスファルト、
漆黒に照り輝き
夢見の奥、
清冽な川面から
裸の半身出して
手を振る少年、
眩しい笑顔に
未知鳴る、
未知 鳴る
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