秋のホーム/ホロウ・シカエルボク
ん…説明するのって難しいですよね。これ聞いた人にしてみたら、どうしてそんなことで電車に飛び込んじゃうの?って感じだと思うんです。でもまあ、一応…一応ね、話しておきたくなったというか。何にも理由がないのにいきなり死んだら、親とか…友達とかが、自分が何かしたんじゃないかなんていう風に悩んだりしたら嫌だなって、思って。そう、これ、でも、話してもなんのことか全然わからないと思います。僕もなんか変だなって思いながら、今日、ここに来ました。でも、多分、死ぬしかないんです。僕は死ぬしか―もうすぐ電車がやってきます。なんだろう、いまね、ちょっといい気分なんですよ、僕。もうくだらないこと考えなくていいんだって、なん
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