「言い知れない憎しみ」/ジム・プリマス
めると九時を少し回っていた
朝の薬を飲むために
残っていたコーラとコーヒーを
それぞれ、飲み干してしまった
紙巻タバコに火をつけて
新しいアイスコーヒーを
作ろうか止めようかと
思案する。強い倦怠感のせいだ
冷凍庫の氷を取りに行くのも億劫だ
今朝は食欲がない
朝食は抜いてブランチにして
もう一度カレーを食べようか
そう思った途端、腹が減ってきた
もう十一時を過ぎている
身体が重く背中が切ない
言い知れない憎しみの波動を感じる
理由のない理不尽な悪意が
この世界には存在することを
この身で、俺は知っている
想いが闇に向かうのは良くないので
今日はこのくらいにしておこう
新しいタバコに火をつけて
悪意が通り過ぎてゆくのを
静かに待つ曇天の冬の日
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