詩の日めくり 二〇二二年九月一日─三十一日/田中宏輔
過去に飛行機事故に遭うはずの人間を救出して、ケンタウリ3に植民させる物語。未来人は汚染されてて、五体満足で生まれてはこない。しかし、記憶違いではないと思ったので、執拗に調べた。いや、やはり読んでいた。ジョン・ヴァーリイの短篇集『残像』で読んでいたのだ。印象的な名作だったので、憶えていたのだ。残念ながら、いまのぼくの部屋の本棚に、短篇集『残像』はない。だれかに譲ったのだろう。2、3人の友人に譲ったのだ。奇形の未来人たちが、タイム・パラドックスを起こさせないようにするため、確実に死ぬ運命の現代人の命をたすけて、植民地惑星に送り出すというアイデアがすごいと思ったのであるが、叙述もたすける側の奇形の女性に
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