五行歌、未知なる深淵/ひだかたけし
 
熱、奪われ
肉身冷え切り
日は暮れて
行を重ね
狂うを正す

荒い息
日々続く
静と乱
合間を縫って
己を観る

ひょっこりと
内から現れる
その像を
今一つの
現と感受す

ただ在る火口湖の
深いエメラルドの
底に沈み
未知なる深淵の
蠢きに触れ

静かさというもの
時に到来し
この世界の根底に横たわる
意味をこえた次元の響き
留まりひたすら感じ取る







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