終戦記念日/ホロウ・シカエルボク
 
音がずっと鳴っている。馬鹿みたいな表現だが、本当にそういう音がしているのだ。その他にはどんな音も聞こえない。わたしの心は静かだった。おそらくは別室で、運命のボタンを押す誰かが緊張しているのが感じられる。ただそれだけの世界。明確な意図を持った、ほんの一瞬の、静かで、何も無い。わたしは清々しい気分だった。もう夢のことなんてどうでもよかった。わたしは戦って、この場所を手に入れたのだ。それはわたし自身の勝利だった。憧れの場所をわたしはついに手に入れたのだ。




足元が、いま―。





                      【了】

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