十二月の一日/
ひだかたけし
おじいさんの毛糸帽子、
先っちょの球が揺れ
寒さに震える頭が傾ぎ
白い髭に霜降り模様
時の最中を彷徨って
十二月の一日、
青く瞬く街の電飾、
帰郷するには早すぎる
哀悼するには遅すぎる
すべてのものが去ったあと、
残像として響くもの
厳しく迫る年の瀬が
探索され続ける時の未知を
純白に輪郭づけ照らし出す
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