ひらひら はらはら/ひだかたけし
雑木林の木々から
ひらひらはらはら
葉が舞い落ちる
もう次から次に
舞い落ちる
病院からの帰り道、
バス停に立つ
僕の頭上を
ひらひらはらはら
黄色い群れ、高曇りの空
音もなく音絶えて
ひたすら ただひたすら
流れるように舞い落ちる
僕の意識は世界にひたされ
切り取られた時間の光景に
充たされ生きる、
瞬間 透きとおり
道路を
バスは走り、バスは来る
震えと痛み、肉に戻り
冬近づいて、冬近づいて
木々、裸になるまで
ひらひらはらはら
遠退く意識に
ひらひら はらはら
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