「罪と罰」その読書感想から/ただのみきや
 
風に囁く筆先の

ごらんあの針葉樹
風に囁く筆先のような頂きのになう空の重さを
永遠無限のつめたいうつろに触れながら
生きる限りそこに迫ることしかできない
百パーセントの苦痛
百パーセントの快楽
いのちは腫れ上がった一個の果実だが
彼らは色香も果肉もない固い松毬を落とすだけ
そう風に囁く筆先の残すものなんて





気をつけな

ことばはこころの衣服
人に読ませることばは所詮よそ行き
無邪気さや清楚を気取ったり
ワイルドなダメージ加工
宝石をあしらった豪華なドレス
仕事着ならいかにも仕事着らしく
素朴な生活感のためには
スウェットのラ
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