ありふれた日常と見たことのない世界/千月 話子
の
無造作に置かれた花の絵が
ジクジク と水を吸って
生き生きしていることなんて
考えもせずに さぁ。
根も葉もない6階の天井から雨が降る 天変地異
恨みつらみ無い5階の天井に神の姿浮かぶ 奇跡
重力が下方に水を呼ぶ
下水になど 横取りされてたまるかと
7という数字の幸運が
4階の天井で昇華されたかなんて
誰にも証明できないとしても
止んでしまった無法な雨は
ただ 水滴となって
鉄骨の道を落ちる
一晩中反響する音は
金管楽器を奏で
鉄筋コンクリートの洞窟で
鍾乳洞と化して 行くのか
ぴとん ぴと
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