閃く森/ひだかたけし
無数の形象、踊る心の内
光と闇の交錯に、
夜へ夜へと入っていく 境界にて
紅く輝く花、咲いていた
森の入り口、
貴女はそれを摘み
私の小部屋に飾った
森へ森の奥へと入っていく 最中にて
紫に発光する理念、
響き在り
奥まり物凄く
響き在り
飛び立っていく音響の群れ
ぶちまけられ飛散する色彩たち
森へ森の奥へと入っていく 途中にて
夜が更ける
透明な時、
誰彼がひそひそ話す
声の木霊、
わたしは知らない
闇の奥を
夜が朝へと明けていく 境界にて
心の内の形象は
微細な塊となり散開する
森の奥は見通せない
巨大な太陽、光の燃え立ち
対象を欠いて躍る次元、
しばし、しばしの 眠りに就く
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