水の地をすぎて ?/木立 悟
 
日はまぶしく見えなくなり
今日は哀しく忘れ去られる
欠片が作る水の径
重なりひらく無音の午後


金と緑の光が降りて
指のかたちに額をなぞる
いつしか雨の音に消される
吐息 足音 鼓動 歌声


忘れものを拾い歩いて
自分の頭の上に着く
それでも地図は終わらない
それでも午後は降りつづく






















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