詩の日めくり 二〇二二年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
ぞれ送料込みで、450円台で買った。『光の王』は何度か読んでいて内容を憶えている。『われら顔を選ぶとき』は一度読んだが内容は憶えていない。どちらにせよ、どちらも一度は手放した本ではあるが。


二〇二二年七月二十三日 「みにくい海」


 10作目は、R・A・ラファティの「みにくい海」話者は海がみにくいと思っている。のちのち話者と同じ船に乗ることになっている青年の話だ。性悪女だけれどとびきりの美人に惚れて、何度か求婚して、さいごに結婚し、子どもまでもうけるが、旧友の蛇や猿や鳥と別れたくなくなり、妻を残して船に乗る。そして、伝説の通り、海の男が片端の女と結婚すると死んだ。女は、それはひど
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