森/
ひだかたけし
憧憬は誘い予感は流出する
*
葉影は優しく
金色の光彩に
濃い斑の筋を引き
森の入り口に
伸びている
目に見えないもの、
目に見えるもの、
それぞれ同等に
照らし出す
秋の日差しが
彼女の瞳の奥に
不思議に魅惑的な
光を宿させている
わたしは森の入り口に辿り着いた
わたしは彼女の存在を受け容れた
響き渡る森、魂の光景
私は森の中へ歩み入る
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