強度/ひだかたけし
 
この生の一瞬が
愛しいという実感に
 
ずんと沈み込む時、

この意識の鮮明を努めて保持し
高く指を突き立て澄み渡る空に

ああ 擦れ違う人、独り独り
我々は皆同じ、我々は皆同じ、

わたしは歌う 声、響かせる

生きて生き抜き過ぎ行く時間のなか、
この場所でしか獲得できないもの

高く指を突き立て光の太陽に

残余の人生を委ね営み

私は住む、私は澄む、

言葉という意味の余白に
在るもの響きの美しい謎に




子供たちの戯れる声が聴こえる
この夕暮れ、
子供たちの有り余る声が聴こえる
この時の未知、生の未知





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