[幻覺庭園] 譚/墨晶
 
パンツ・ブーツいずれかを身に着け?けば職務質問に遭わない?はいない ここまで云ったとしても これらのありふれた屬性など いまやいかなる町にだって當てはまる だからここへ目隱しで連れてきた人?に「ここはパリのマレ地區 セヴィニェ通りだ」と云っても決して疑わないだろう 下水の匂いのする 腐るほどありふれすぎて特定不可能な町 頭狂 西??の 流血と吐瀉物と小便で薄汚れた裏通り 金さえ出せば誰にでも「思いやり」と「眞心」で部屋を貸す怪鳥のごとき聲の老女がオーナーである路上の犬の糞よりありふれたビルの地下一階の 更なる下の定義不可能な階? (斷?と云っても良い) に
[幽玄會舍・幻覺庭園] はあった 
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