落花無残な夜を超えて/秋葉竹
 


  

ワンルーム
ひとり暮らしで生きている
いまは


むかし
大好きな
彼が綺麗な花を買ってくれた

ムーンダストプリンセスブルー

クリスタルの花瓶に挿したよ

洗濯し立ての
真っ白なワイシャツを撫でるだけで
バカみたいに嬉しかった

(十代の頃の初めてのヤツみたい)

だからほかのものは
なにも欲しくなかった

最後に
なにを望めば良かったのか?


忘れたいことばかり
増える日々の流れのなかで
茜の静けさを
ずっとみつめていたくなったり

人はひとりでいるから
なにかが
こぼれ落ちるのかもしれない

それを
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