夢の雫/
里乃アキラ
子守歌の代わりに聞いたその音は
水道の蛇口から零れた
水の雫の音でした
ぽたり
ぽたり
ぽつ ぽたり
夜の闇に小さく響くその音は
現実の扉から溢れた
夢の欠片の音でした
ぽつり
ぽつり
ぽた ぽつり
月明かりの下
水の雫の波紋が広がり
腕をひかれて
夢を見て
そうして水は 溶けてゆく
ぽたり
ぽたり
ぽつ ぽたり
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